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株式会社 大水
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海のない場所にある
水産加工会社

東北地方有数の古湯であり、俳聖 松尾芭蕉も奥の細道の途中に立ち寄ったとされる歴史ある温泉地、飯坂温泉。とびっきりの熱いお湯を求め、各地から多くの観光客が訪れる。
温泉街から外れ、住宅が多く建ち並ぶ方へ進むと、株式会社 大水の社屋と工場がある。長年この地で鯛めしの素をつくり続けてきた企業だ。
飯坂には海がない。鮎釣りで有名な摺上川という大きな川があるが、鯛はいない。川の向こうに広がるのは雄大な山林、そしてその向こうは蔵王山だ。なぜ、海のない山あいで、水産加工会社が誕生したのだろうか…?

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お菓子屋さんから水産加工会社へ

大水のはじまりは、なんとお菓子屋さん。当時はゆべしなどを製造・販売しており、今でもその頃の包装紙が大切に飾られている。
水産加工会社となったきっかけは、創業者の趣味であった「釣り」。摺上川で釣った鮎を塩焼きにし、近くの旅館に差し入れたところ、好評に。鮎の塩焼きからはじまり、焼き鯛、仕出し、業務用食材販売と徐々に事業を拡げ、昭和59年に現在の社名である「株式会社 大水」となった。
大水の看板である「鯛めしの素」は、長年地元飯坂で愛される、自慢の一品だ。今回、特別に製造工程を見せてもらうことになった。

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骨までやわらかい
「鯛めしの素」の秘密とは…?

大水の鯛めしの素は、下処理は一切なし、炊飯器に入れるだけで簡単に本格鯛めしが完成する。そして驚くことに、鯛の骨までやわらかい。その秘密は、製造工程にあるようだ。
鯛めしの素が完成するまでの工程は、原材料受入→検品→解凍→ヒレカット→塩水漬け込み→串打ち→焼成→冷却→袋詰め真空パック→金属検出検査→加圧加熱殺菌と、多くの段階を踏む。この中に、大水のこだわりや、骨までやわらかい鯛にする秘密が隠されている。
この日仕込まれた鯛は、1,200匹以上。人生で初めて、山のような鯛を見ることとなった。

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熟練社員のみがおこなえる串打ち

塩水漬け込みまで終えた鯛は、熟練社員の手で串打ちされる。この串打ちは、大水でも2名の社員しかおこなうことができない。
ただ串に刺しているように見えるかもしれないが、そうではない。骨に絡ませるように串を通し、焼く際に串からすべり落ちないようにする。また、大きさに合わせて、鯛めし用、お祝い用の尾を立たせる焼き鯛用など、打ち方も数パターンあり、串打ちによって焼き上がりの形が決まってくる。
年末には工場は繁忙期を迎え、1日で3,000匹以上の鯛を仕込むこともある。その日は朝から晩まで串を打ち続けるそうだ。

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遠赤外線焼成機でじっくり香ばしく

串打ちされた鯛は遠赤外線焼成機にセットされ、じっくり香ばしく焼き上げられる。工場内には香ばしい焼き鯛の香りが漂う。
焼成機はかなり大きく、長さ5メートルはあるだろうか…ベルトコンベヤーのように、吊るされた鯛がゆっくりと流れていく。焼成機の端でUターンをして赤く熱された内部に入ると、両面をしっかりと焼かれる。 焼成機から出てきた鯛は、定期的に中心温度を計かり、焼き加減をチェックする。その後、熱々の焼き鯛の身を崩さないよう、一匹一匹丁寧に串から外され、味を落とさないよう冷蔵庫で急速冷却される。

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細かい部分まで丁寧に

冷却された焼き鯛は一匹ずつ袋に入れられ、真空パックに。すべて社員によって手作業で行われている。その後、金属検出検査にも通され、安心して食べていただけるように細かくチェックされる。
工場内には、さまざまな機械や調理器具が並んでいる。便利な機器もたくさんあるが、魚の油調理も機械任せにせず、人の手で原料の状態に合わせて最適のタイミングで調理している。
大水が独自に開発したタレにもこだわりが。甘味・塩加減・辛さ・酸味のバランスが絶妙で、さっぱりしているのにコクがあり、魚の旨味ともマッチ。まさに水産加工会社ならではのタレだ。

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加圧加熱殺菌で骨まで柔らか

焼いただけでは、魚の骨までやわらかくはならない。その秘密は、この「レトルト釜」だ。
真空パックされた鯛は鉄製の浅いカゴに並べられ、鍋の中に入れられる。この機械は加圧加熱殺菌を行うもので、この工程をおこなうことによって骨までやわらかく、長期保存も可能で旨味も閉じ込められる。サバの缶詰などもこのようにしてやわらかくなるそうだ。
加圧加熱殺菌が終わった後は、工場2階に運ばれ、箱詰めにされる。こうして、大水の商品ができあがり、販売店や各家庭に届けられるのだ。

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おいしいお魚のおかずを
全国に

株式会社 大水では、鯛めしの素の他、福島県産桃を使ったサバの味噌煮や、解凍してそのまますぐに食べられる魚の惣菜など、さまざまな魚のおかずを開発・販売している。
「魚をさばくのが大変」、「下処理が面倒」といった理由で魚を食べる機会が減った方にも、魚をもっと身近に、気軽に食卓に取り入れてもらいたい。そんな想いから、一般家庭向けの商品の開発がスタートした。
今後はBBQや野外調理向けの商品も開発していくそうだ。アウトドア好きの一人としても、今後の新商品がとても楽しみだ。

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株式会社 大水 (おおすい)

福島県福島市飯坂町
湯野字大水口10-1
024-542-5427

HPを見るhttps://www.oosui.jp/