フラメンコギターの魅力

――本日はありがとうございます。まず、フラメンコギターについて、その魅力を教えてください。

沖仁さん：スペイン発祥のフラメンコギターは、伝統的に男性しかギタリストがいないんですよ。なので、男性的なマッチョな楽器で、それが特徴となっています。魅力は、やっぱり聴いていただくのが一番なので、よかったら動画でご覧ください。（→動画）

――今までにフラメンコギターを聴いたことがない方でも、その場ですぐに乗れるような音楽ですね。

沖仁さん：そうだとうれしいなと思います。フラメンコってルーツを辿っていくと、ジプシーの人たちが、虐げられて、つらい人生を送っていた時代に、その思いを表現していた音楽なんです。自分の力ではどうしようもできない苦しさや、つらさだったり、それの裏返しにある深い愛情や喜びなどを表現していた。でも、そういう思いは、僕ら日本人の中にもあると思うんですね。日常生きていれば、いろんなことがありますから。
なので、自分で弾きながら、自分の心が痛んで抉られるような想いを探して皆さんに届けています。聴いている人の心の奥深くまで届いて、その人の心に響くように。だからこそ皆さんに共有してもらえるのかな、と思います。

――聴いている方の中には思わず泣いてしまう方も、ライブではいらっしゃるんじゃないですか？

沖仁さん：そうですね。そういう声もいただくことはあります。そういう時は、こちらもうれしいですね。ただ、ライブ中は、見えないんですけどね。必死だから(笑)。

今回公演する「Diagolo」について

――今回のアルバム「Diagolo」は、音楽界の第一人者の方たちとのコラボが多いですね。

沖仁さん：お互いの、気付かなかった良さを引き出しあえるのがコラボの魅力です。そして、すごい人とやると、そういうことっていっぱいあるんですよ。そのことで自分がステップアップするし。一回出した音は消えないから、ここまで出来たんだってわかるし。それが醍醐味だと思いますね。お互いに、この人となら奇跡を起こせるんじゃないかみたいな。そういう人とやるのは、楽しいですね。

――自分も受け取りたいし、自分も与えたいんですね。

沖仁さん：僕は、その人の気付いていない良さを、気付いてあげたいってひそかに思っているんですよ。だから、今回のアルバムもそれぞれの方の作品とは違う面を引き出してあげたいなと思いながら共演しました。

――今後のやりたいことを教えてください。

沖仁さん：やりたいことはいっぱいあります。コラボをどんどんやっていきたいという気持ちもあれば、全く逆の、ギターと自分の対話みたいな世界をやりたいなというのもあったり。それに、スペインに、これからどう関わっていくかは、手つかずのまま残っているテーマです。スペインではまだまだ僕は知られてないですからね。でも、全然焦るつもりはないので、一生かけてやっていこうかなって思います。

福島公演に寄せる想い

――最後に、福島公演に寄せる思いと、福島県の方々に向けてメッセージをお願いいたします。

沖仁さん：ツアーファイナルを福島県いわき市でやるのは、僕にとってもすごく嬉しいことです。前回、震災後、一度延期になってやっと福島でやらせていただいたときも、他の都市とは違う、熱だったり、本当に待っててくれたんだなというのを、実感として感じました。ものすごいエネルギーを感じたので、僕の方もそのエネルギーに負けないくらいのエネルギーを貯めて、臨もうと思います。だから、またぜひ遊びにきてください。

――本日はどうもありがとうございました！