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日本で初めて、自然米100%使用の酒づくりを実現。

有限会社 仁井田本家(郡山市)

自らに「日本の田んぼを守る酒蔵になる」という使命を課す会社。創業300年となる2011年、日本で初めて自然米100%使用の酒づくりを実現させました。現在では製造するすべての商品で自然米100%、天然水100%、純米100%の酒づくりを貫いています!主力商品である「金寳自然酒(きんぽうしぜんしゅ)」のほか、福島県ブランド認証第一号となった「穏(おだやか)」、料理酒「旬味(しゅんみ)」などが人気です。

「人」への思いが溶け込んだ、優しい味の酒づくり。

郡山市中心部から約20分。経済県都とは思えないほど豊かな田園風景の中に、仁井田本家はありました。自然酒づくりにふさわしい、鮮やかな緑が印象的です。
取材に応じてくれたのは統括部長の馬場幹雄さん。なぜ自然素材にこだわるのか尋ねたところ「先祖代々伝えられている『酒は健康によい飲み物でなければ』という言葉によるところが大きいですね」という答えが返ってきました。
原材料の酒米は、自社田で農薬や化学肥料を使わずに栽培。仕込みの水も、自社田近くの井戸水と蔵所有の山から湧き出る伏流水を使用しているのだそうです。
そうは言っても、どれほどの違いがあるんだろう?思い切って、そんな疑問をぶつけてみました。

「なかなか数字には現れないもんなんですよ」と馬場さん。見た目や成分では分かりにくいものの、実際に味わうと飲みやすさや風味に違いが出るのだとか。中には「二日酔いになりにくい」というお客様もいるそうです。人間の舌にしか分からない味に、全力で取り組む姿勢。そこに、酒づくりへのプロ意識を見た気がしました。
そんな仁井田本家が掲げるブランド「金寳(きんぽう)」は、地元の昔の地名「金沢村」と酒蔵のかつての屋号「寳来屋(ほうらいや)」から名付けられたそうです。宝という言葉から、何かを大切にしてきたことが伝わってきます。
そこで馬場さんに、仁井田本家にとっての宝とは何か?と尋ねてみました。その答えは「お客様、というか『人』ですかね」。仁井田本家では、お酒の販売だけでなく、田植えの手伝いなどあらゆる面でお客様に支えられているのだそうです。金寳自然酒は、そういった人と人とのつながりの中で生まれ、つくられてきたのかもしれません。その飲み口には「人々の温かい触れあいが溶け込んでいるのかも」と思わせる、優しい甘味が感じられました。

細やかな温度管理で、酵母を元気にする酛屋さん。

醸造課/植田 大輔 さん

酒づくりにとって大切な酵母を培養する、酛屋(もとや)さん。酒は酵母が米を発酵させてできるものなので、酵母が元気に育たないと美味しくなりません。酵母を育てるには、とにかく温度管理が重要なのだとか。仕込みの量や時期、屋内外の気候などに合わせて細かく温度を調節し、酵母の発酵度合いを見極めていきます。「うまく仕込めたときのお酒は余計に美味しく感じられます」と語る優しい笑顔に、お酒への愛情がにじみ出ていました。

有限会社 仁井田本家

代表者:
仁井田 穏彦(にいだ・やすひこ) 18代目蔵元
本社所在地:
郡山市田村町金沢字高屋敷139番地
事業内容:
日本酒の醸造・販売(焼酎乙類全種・リキュール製造免許あり)
創業:
1711(正徳元)年(江戸時代中期)
社員数:
20名
代表銘柄:
金寳自然酒(きんぽうしぜんしゅ)
HP:
http://www.kinpou.co.jp/

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