日吉丸
日吉丸
024-939-1012
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人気の名店、隠れた名店の主人が、自ら至極の一杯を喰う！そしてなぜかふくラボ！も喰う！！
こんなにシンプル。なのに、こんなにも奥深い。/日吉丸（郡山市西部）
日吉丸（郡山市西部）
元祖・肉味噌ラーメン（650円）
【麺】初代から変わらない配合の、多加水・中太ちぢれ麺。もちもちした食感が特徴で、常連さんに「この麺が好き！」と言わしめるほど。
【具材】たっぷりの玉ねぎと豚ひき肉。ゴマ油でさっと炒め、調味料・スープと合わせる。後のせで白ゴマ、ニラみじん切り、ネギのトッピング。
【スープ】豚ガラ、鶏ガラ、野菜少々からとったスープ。味付けは秘伝の合わせ味噌、豆板醤、コショウ等と至ってシンプル。仕上げに山椒の粉を振る。
店主、自ら味わう。
このお店自体は30年くらい前からあって、初代の店長が作ったのがこの「元祖・肉味噌ラーメン」。具材はひき肉と玉ねぎだけ。シンプルなのにこれだけ風味が出せるんだからすごいですよ。
僕はその初代の味を知らないので、当時から通っている常連さんに話を聞いたりして、試行錯誤で今の味を作ってきました。やるからには、初代よりももっといいものを作りたい。けれど、いつも同じ作り方でもダメなんです。例えば使う玉ねぎひとつとっても、季節によって味が変わる。だからいつも同じ作り方ではないんです。今でも完璧だとは思いませんが、少しずつ自信を持てるようになってきました。
最近のラーメン屋さんは厨房が静かですよね。うちは、中華鍋で具材を炒めてスープを入れて作るから、ものすごくうるさい。一杯一杯作るのは大変だけど、そうやってうまみを引き出して作るからこの味が出る。始めた当初は気付かなかったけど、こういうラーメンの作り方のお店でよかったなあって思います。
今後は後継者を作りたいですね。自分が現役の間、最低でもあと40年くらいはこの味を残していきたい。それが夢ですね。
ふくラボ！も味わう。
一面に白ゴマを浮かべたスープに箸を入れるや否や、ぶわーっと広がる湯気・湯気・湯気！同時に、香ばしい味噌と山椒の香りが清々しくのぼり立ちます。その温かさと香気だけで、すでにトリコになりそうです！
口にした麺は想像通りアツアツで、猫舌だとちょっとためらう温度。ふうふうやって啜り込むと、もっちりときめの細かい舌触りとともに、スープをまとって口の中に飛び込んできます。すかさず広がる香ばしい味噌の風味、そしてピリッと感じる辛み。それは辛すぎず、玉ねぎの甘みもあって、見た目よりもずっとさっぱりした口当たりなんです。しかしそのコクとうまみの深さは、つい「生きててよかった～！」なんて唸ってしまうほど！
玉ねぎは生過ぎず、熱しすぎずのシャッキシャキの歯応え！穴あきレンゲでひき肉をすくい上げて啜るもまた楽し。アツアツ、ピリ辛、コク旨のあと引くうまさに、冷める間もなく完食です！
定休日の夜を選んで行なったこの取材の間も、お休みだというのにお客さんが何組も現れました。明かりがともったお店につい引き寄せられてしまうのは、ひとえにこの味を求めるからこそ。30年来の味の威力を感じさせる一杯でした！
（取材：トミー）
